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国立科学博物館 特別展FLOWER

場所:東京都 国立科学博物館
題目:特別展 花 FLOWER 太古の花から青いバラまで
開催期間:07年3月24日〜6月17日
訪問日時:07年4月29日
内容:花の進化の過程を展望しながら、花の最新科学の成果や花の研究史・文化史などを紹介。
ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)
写真でも鮮明に青く見える青いケシですが、実はカエデの紅葉に含まれるのと同じ仲間の赤いアントシアニンが主要色素。ただ、共存している無色や淡黄色の成分であるフラボノイドと金属イオンが複合体を作り、その複合体により青い色が発現します。
ちなみに、青い花の色の発現の仕組みが完全に明らかなのは、わずかにツユクサとヤグルマギクのみで、二つの花の発現様式を解明したのはなんと日本人。花の色の研究は世界の中で日本が一歩リードしてるんですねぇ。
バラの香りの捕集
写真はヘッドスペースガス法によって香りを捕集している様子。花の香り研究は花を摘んで、水蒸気蒸留法や圧搾法、吸着法、溶剤抽出法などで香りを抽出する方法が主流でしたが、花を摘んだ時点で香り成分は変化します。
そこで、花をガラスケースで覆い、ケースの一方から風を送り込み、逆側に送り出された香りを吸着剤で採取することで、生きたままの自然な香りを再現できるようになりました。
展示ではそれぞれの香りの採取法による違いを体感することができ、水蒸気蒸留法は毒々しいバラの香りでしたが、ヘッドスペースガス法ではかなり甘い花の香りがしました。
青いカーネーション(ムーンダスト)
写真は世界で唯一の青いカーネーションの「ムーンダスト」。元々、カーネーションには青や紫の花色がありません。そこでペチュニアから青色遺伝子(青色のアントシアニンであるデルフィニジンを作り出す遺伝子)をカーネーションに導入することによって、青いカーネーションを作り出すことが出来ました。
チューリップの育種
写真のチューリップは、交雑育種により作出されたもの。チューリップの園芸品種は16世紀にトルコからヨーロッパに持ち込まれて育種改良されたと言われてます。また、世界的にはオランダが球根生産地として知られていますが、富山県や新潟県を中心に日本でも球根生産が行われています。
チューリップの交雑育種は、交雑後、種子を採取し、播種してから開花するまで5年、球根を肥らせるのに10年以上を要し、新品種誕生まで約20年の長い時間がかかるんだ。
ちょこっと感想
今回の展示会はかなり素晴しかったと思います。花の姿を楽しむだけでなく、分類学や生化学、育種や遺伝子工学を通じ、花に対する研究者の関心を知ることができ、花をより深く知るだけでなく、花に対する興味をかきたててくれる内容でした。
今まで知らなかった花の一面や、人と花の関わり合いを知ることによって、素人の方から花を専門としている人まで幅広い方の心に残る展示だったように思えます。
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